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脱走受刑者を広島地検に送検 2012.1.15

「広島刑務所脱走受刑者逮捕」のニュースで広島は落ち着いたようです。
マスメディアの識者の中で、”監視カメラ98台を一人で監視”という点について批判が集まりました。
（「監視カメラに死角　逃走の瞬間映らず」の死角の問題や緊張感のなさ等は、論外ですが）

広島刑務所脱走事件　李国林受刑者、管理棟の屋根部分を伝って堀を越えて逃走か

監視カメラが98台あったが、これを1人で監視していたということで、監視態勢の不備、甘さ部分というものも指摘されています。

98台の監視カメラを何人で監視したらいいのという疑問を持たれて、何人かの方から質問がありました。
監視カメラを集中遠隔監視しているモニター1台には、標準的に監視システムでは16か24台の監視カメラの画像を表示させています。その画像を1人の監視員が監視。
（32,64,96台表示システムもあります）。


24台のカメラ（複数設置箇所）を集中監視（CenterV2pro）


96台のカメラ（1箇所）を遠隔監視


広島刑務所は監視カメラ98台ですから7台のモニター（16×6+2×1）ですから、7名の監視員ということなのでしょうか？
刑務所の適切な人員問題に関してはよく理解していませんが、7名の監視員というのは、やはり多いのではと思います。
（また、1人が16台のカメラを常時見続けることも労働環境的にも現実的ではありません。）

では、通常の集中監視システムは、どうしているのでしょうか？
実は、監視システムには、多数の機能があります（使われていない場合が多いです。マニュアルで付加機能部分300頁ぐらいあります。）
その中でも監視システムのアラームに関する機能を有効に使えば、今回の事件も早急に対応（発見、通報等）できたと思えます。

以下に、アラームに関する機能の一部を紹介します。

アラーム関係の機能のみ
・動作検知やI/Oトリガーによるポップアップ表示


・PTZカメラ制御によるオブジェクト追尾、ズーム機能(*)


・不審物検出と重要物移動機能


・領域進入アラーム


・拡張I/O デバイス制御


・侵入者アラーム



事例では、監視カメラ毎に複数の領域を設定し、不審物が領域内に進入（または、動作検出、オブジェクトが移動）した場合に、その画面をポップアップ（又はアラーム発報）を行ったり、録画画像の検出をしています。また、追尾カメラでその後も追います。

等、各機能を使いこなす適切な設定をすれば、今回の不手際も防げたのではないでしょうか。

私の管理依頼された駐車場では、上記の機能は使っていました。
（納入ユーザーにも適切な機能を運営の点からのアドバイスをしています）